健康

【胸がいたい!】症状・徴候からのアセスメント!緊急度を見抜き考えられる疾患を予測する

「胸が痛い!」胸痛の原因が呼吸器なのか、循環器なのか両方なのか、それ以外なのか見極める必要があります。胸痛も頭痛と同様に処置が遅れると生命に関わる可能性もあるため素早い判断と適切な対応が必要になります

胸がいたい!原因を推測し緊急度を見抜く!!

1、痛くなったのはいつか

突然痛くなったのか

徐々に痛くなったのか

2、どんな痛みか

チクチクする痛み

ピリピリする痛み

熱くなるような焼けるような痛み

3、痛みの強さはどれくらいか

我慢できるのか

経験したことのない痛みか

4、胸のどの部分が痛むのか

胸の全体が痛むか

胸以外にも痛みが広がったりしているか

5、どういう時に痛みがでるか

黙っていても痛いのか

動くと痛くなるのか

6、他に症状はあるか

息苦しいなどないか

咳は出たりしていないか

7、姿勢によっって痛みが変わるか

仰向けになった時いたみが強くならないか

「胸がいたい」から考えられる緊急性の高い疾患

「胸がいたい」という症状で生命に関わる疾患が3つあります

心筋梗塞、解離性大動脈瘤、肺梗塞です

1、突然の胸痛

心筋梗塞、狭心症、肺梗塞、解離性動脈、緊張性気胸(緊急性の高いものが多い)

2、「焼けるような痛み」「ピリピリする痛み」など表現される痛み

焼けるような痛み:解離性大動脈瘤

ピリピリした痛み:肋間神経痛

鈍く、重苦しい痛み:逆流性食道炎(胸焼け様な症状)

3、激しい痛み

心筋梗塞、狭心症、肺梗塞、解離性大動脈瘤など

虫垂炎の初期

4、胸全体が痛む

心筋梗塞、狭心症、肺梗塞、解離性大動脈瘤など

局所的な痛み:肋間神経痛、胸膜炎など胸壁の下でおこったトラブル

5、特定の動きによって痛みが強くなる

肋間神経痛、筋骨格系の痛み

運動不可で痛みが出る:狭心症の疑い

6、息苦しい

肺梗塞、緊張性気胸、心筋梗塞など

7、姿勢によって痛みが増悪する

消化器系の疾患の可能性

心筋梗塞では痛みを感じない場合がある!?

痛みに関する感覚が鈍くなっていると、痛みが自覚されにくく、特に高齢者の場合無症候性の心筋梗塞は珍しくありません!若者でも「刺すように痛い」という訴えはそれほど多くなく「このあたりが押しつぶされるようだ」といった漠然とした訴えや「肩が張る、重い」といった放散痛もよく聞かれます

局所的な痛みは緊急性の高い疾患は否定できる!

心筋梗塞、肺梗塞、解離性大動脈瘤など緊急性の高い疾患では境界を限定しにくいからです。痛みの原因となっている心臓や肺は胸壁のそばではなく身体の奥深いところに位置しているため、痛みが反映される範囲は広くなり「胸全体が痛い、苦しい」となります

痛みの原因が胸壁の近くにある肋間神経痛や胸膜炎などの場合は、その真上だけがピンポイントで痛くなります

100%確実な方法ではありませんが、患者が「どこが痛い」のか「ここが痛い!」と、痛みの境界をはっきりと自覚できるようであれば緊急性の高い疾患の可能性は少ないです

「胸がいたい」緊急度の高い疾患 まとめ

胸痛による疾患は心筋梗塞、狭心症、肺梗塞、解離性動脈、緊張性気胸など、緊急性の高い疾患がたくさんあります。問診、観察、バイタルサイン、心電図モニターなどで緊急度を見抜けるようにしましょう。

既往歴、家族歴の確認も大事

呼吸器や循環器に関わる症状の場合、特に動脈硬化や高血圧、脂質異常症などのリスクファクターは疾患の原因になることもあるため注意が必要です。

呼吸器:呼吸器感染症・疾患、呼吸器系の外傷・外科的手術

循環系:高血圧、冠動脈疾患、脂質異常症、糖尿病、心臓手術や入院治療

日々の患者の状態はもちろん、既往や家族歴などからも状態を読み取り異常の早期発見に努めることが大切です